人魚

生まれて初めて人の作品というものを買った。
レコードやCDは別にして、その人がそこにいてその作品と向き合って作られ、その人の手も息も触れたものを、自分が買うなんてことがあるなんて思ってもみなかった。
人魚の絵を買いました。人魚をひとり買ったような気持ちです。
今日もう一度ギャラリーに行ってしみじみと見ていたら、もうそれは本当にどこからどこまでもその絵しかなく、24枚も人魚の絵があるのに、なぜだか自分が当然選ぶべくして選んだような気がしてしまった。不思議なくらい私の選ぶべき絵だった。
2日悩んで買ったのだけど、この人魚は、私がおばあさんになってもきっと一緒にいると思うので、後悔なんて一生しないと思う。