満月の晩。
また夢の話。
この間は仕事から抜け出して焼き鳥を食べに行く夢を見た。
焼き鳥は普通の駅の売店みたいな所で売られていて、ビールを飲むわけでもなく、新聞を買うようにタレを一本買った。
その売店には雑誌に並んで透明な箱に藁を敷いたものに、白髪の長い長い髪を頭の上で一つにまとめたその店のおばちゃんの手が入れられていた。片っ方だけ。
まるでペットの小鳥でも連れてきちゃったみたいに。
手は、おばちゃんが笑うと体から離れているくせに、一緒に笑うようにカタカタと動いていた。
「すごいなあ、ちゃんと同調するんだあ」と、感動して見ていた。おばちゃんも「そうだよ」と嬉しそうに言った。
夢はほとんど覚えていないけど、途中で起こされたので起きた途端に「今こんな夢を見ていた」と語ったので覚えていた。
今まで、自分がそんなシュールな夢を見ていたりするなんて知らなかった。
朝と一緒に消えて行ったんだな。