一昨日の夕方、アカヒレが旅立っていった。
ひさしぶりに泣いたら、涙より鼻水の方がいっぱい出た。
目がぱんぱんに腫れた。
水槽をトントンとたたくと寄ってきたり、何か言っているように見ていたり、こんな小さなさかなでも気持ちがあるんだと知った。
だから、スーパーに並んでいる秋刀魚や鯵なんて、さぞ感情豊かなんじゃないかと想像するようになった。
嬉しそうに寄ってくる様子は極小の赤い天使に、私には見えてた。
腹を立てさせられたり、イライラさせられることなんてただの一度もなかった。
そんな存在ほかにいない。
私が休みになるのを待っててくれたみたいだった。
いなくなってしまったら、部屋がとても静かだ。
おしゃべりだったわけじゃないのに、どうしてこんなに静かになってしまったんだろう。
夕べ外に出たら、猫は膝にのってくれ、犬は背中を差し出し撫でさせてくれた。