シクラメン

夕方、また商店街をぶらぶらしていた。
クリスマスソングのオルゴールが流れていた。
どの花屋の前もポインセチアシクラメンがいっぱい。
高いなあと思いながら見ていたらとても小さな、手頃な値段の鉢を見つけた。
花びらのふちがちりちりっと丸まっている、天然パーマの子どもみたいなシクラメン
濃いピンク色のを買い、「うちの子になるんだよ」と言いながら連れ帰った。
花の鉢を買うなんて久しぶり。前回の失業生活中にやっぱり小さなりんどうを買って以来だ。
仕事をしていないと、貧乏なくせに花を買うなんて、財布の余裕と心の余裕は私の場合比例していないことの証明みたいだ。
部屋に何か生き物がいるとなんとなく落ち着く。