アウトサイダー

去年発売された美術手帖を買った。
アウトサイダー・アートの愛し方」という特集。
愛し方を教えてもらわなくても、もう愛してる。
これには載っていないけど、昔、横浜美術館アウトサイダー・アートの写真展を観たとき、泥で人形を作る人の写真の前で釘付けになった。
私の中のとても高い位置にある人形はこういうものだと思った。
顔もはっきりしない、泥のヒトガタ。
それは、人形を作るのが目的で作られたのではなくて、自分のタマシイを表現するのが目的で生まれてきたようなもの。
どうしたらあんなふうに作れるんだろう。
自分の中でいろいろ削ぎ落とさなければ作れるはずがないのはわかっているんだけど。
この本にはそういう表現者たちの衝動のようなものが詰まっていて、ぱらぱらめくるだけで溢れてきそうだ。
眠る前に毎晩見てる。
アウトサイダーの作り手たちは、自分以外の誰とも共有できないような、孤立した心のリアリティーを生きています。不都合な日常生活を捨てて、自分の欲する“もうひとつの世界”を、死にもの狂いで再創造する。まるで独りぼっちの王国に君臨するかのように」