ぶち

朝の新宿を歩いていたら、ビルの前のチョロチョロ流れ出る汚い水を、白黒ぶちの汚い顔した迫力の猫がなめてた。
「のど渇いてんの?」
悪いか?という顔をして、猫はまた汚い水をなめ続けてた。
そんな水を飲んでも、もはや、おなかもこわさない。
なんにも持ってないくせに、あんだけ強いのは、基本がしっかりしているから。
今日食べるものを見つけて、今日食べるものがあればいい。
人は弱い生きものですね。
ねえ、猫先輩。
白黒ぶち先輩の丸い背中に見送られて、開店前の手芸屋にむかった。