池袋に絵筆を買いに行った。細い細い線が引ける筆がほしくって。滅多に行かない池袋。道に迷う池袋。
この間行った時には、西口と東口を間違えて出てしまい、それにさえ気づいていなかった私を、私が道を尋ねた人が反対側まで連れて行ってくれた。
仕事帰りのその人は、額に汗して「いい運動になりました」なんて言って下さって、本当に申し訳なかった。
今日もやっぱり道に迷ったけど、どうにか自力でお店にたどりついた。
地図まで持って出かけたのに、どうして池袋では私の勘は働かなくなるのでありましょうか?


帰りの地下鉄の中、若い男の人がゲームをしていた。ゲームの中に向かって笑顔で話しかけ、時々大笑いしながら。
みんながだまって座ったり立ったりしてる中、異様なんだけれども、そんな小さな箱の中にこの人はそんなにも面白みを見出し、没頭できているのかと思ったら、なんだか羨ましかった。


帰ってきたらテレビでは、山手線が止まって大変と、しきりに言っていた。
自分も道に迷わず、そして帰り道にJRを選んでいたら閉じ込められていたかもしれない。おなかなんてぺっこぺこになって。