ごしごし

今日とあるおばあさんに「かわいい、かわいい」とあたまを撫でられた。
ああ、年も年だし、祖母もいなくなってしまったし、そんな風に誰かにあたまを撫でてもらうなんて何十年ぶりだろうと感慨深かった。
うちのばあちゃんに最後にあたまを撫でられたのは覚えてる。
受験に失敗した時。ごしごしと撫でながら、
「泣くのは親が死んだ時だけにしろ」と言った。
でもあれから私は何度でも泣き、祖母が死んだ時だっていっぱい泣いたのだった。