おもいで


小学生の頃に図書館で借りて、また読みたいと思った時にはボロ過ぎてお蔵入りになっており、以後探し続けていた本。
ネットで探してもヒットしなかったのに、先々週ついに発見。
遠い街の古本屋さんから届く。
鈴木義治さんの絵が好きだったので、この本を借りたのだと思う。
内容は戦後、朝鮮から引き揚げてきた小学生のとてもシビアな話。
稗島千江さんの『火の国の子』という本。
まだ読み終わっていないから自分がどうしてこんなに忘れられなかったのか、いまひとつピンと来ていないのだけど。
何十年もたっている古本とは思えない、すごくきれいな状態で届いた。
私が探していた間、誰の部屋の本棚に眠っていたのだろ。


人間は前世とか来世とか自分たちにはあると思っていたりするけれど、では牛や豚や犬や猫や鳥や魚や虫や微生物とかはどうなんだと昔友人が言っていた。
今日おじいさんが立ち止まって歯医者をのぞいたっきりあまりにも動き出さないので、連れられている犬が早く早くと訴えていた。
そばを通った時に目が合ったのだけど、とても素敵なきれいな目をして見上げてた。
気持ちもあって感情もあって。
人間だけに生まれてきた意味があるなんて思わない。
前世とか来世とかは死んでからのお楽しみと思っているけど。
どんなに小さな命にでも生まれてきた意味がある。
役目をもって生まれてくる。
だから、旅立っていった友人の小さな家族は、天国できっと祝福されていると思う。