ひろいもの

maki-no2011-10-11

10月に入ってすぐに、ひろいものをした。
環状線沿いのビルとビルの間の狭くて汚い所に落ちていた。
缶詰めとかつくね串とか誰かにもらって、寄り添って寝ていた。
つまみ上げると、ひとつはとげみたいな小さな爪をたてた。
ひとつは目がぱんぱんに腫れて開かなかった。
ウイルスと寄生虫と蚤にやられて、目は炎症起こしているし、血便は出るし、毛の中を蚤が歩きまわっているし 、ごはんの食べ方も知らないし 。
それでも小さな家族になって、一緒に暮らし始めた。
来たばかりの時は私の顔を見上げ、目を見てよく鳴いていた。
友だちが「猫は人間にしか話し掛けないんだって」と言っていたから、言いたいことがいっぱいあったんだろう。
ふたつはきょうだいだと思われ、一緒に走り回って一緒に眠って、風船みたいなおなかになるほど食べて、がんがん大きくなってきた。
今、ひとつは寝ていて、ひとつは私のカーディガンのボタンをガシガシ噛んでいる。
さわると、なーんてあったかいひろいもの。