帽子

新宿まで用事で出かける。

夕方、ヨドバシカメラの前の高速バス乗り場。ガードレールに太ったおばちゃんと小さなおばあちゃんが座っていた。
田舎に帰るのかなあ。出てきて誰か迎えに来るのを待っていたのかなあ。なんだか目が引き寄せられてじーっと見てしまったのだけど、それは二人がまったく同じ赤紫色でリボンがついた帽子をかぶっていたからだ。
なぜ同じ帽子?好みだってあるだろうし、二人同時に同じものをかぶらなくっても・・・とも思うけれど、そこにはきっとストーリーがあるのだろう。
絵の授業で計算した表現をしていた私は、「よくできているけどちっとも面白くない」と先生に言われたことがある。「なぜだかわからないけれどそうなってしまうという表現も大事なんですよ」って。人間の面白みみたいなものなのだよなあ。なんだかわからないというところに魅力が埋まっているんだ。