夜のはじめ、作業しながら空気公団を聴いていると、とてもなつかしい誰かと無性に話したくなった。
これは誰のことかと、自分の胸の中を探してみると、それは2年前に死んでしまった猫のちーこのようだった。
ちーこが生きている時には空気公団は聴いたことがなかったのに、音楽の中の何かが私の心をちーこに結び付けた。
ちーこは本当は「ちにた」という名前で、親友だったり娘だったり母のようだったりした。
人間だけがすべてではない。
言葉がなくても、戸籍がなくても、私にとっては大きすぎる存在だった。
とてもとても寂しい。空気公団のおかげで、さわやかだけれど、やっぱり寂しい。