少女

Bunkamura少女幻想綺譚を見に行く。
そして、今日は絵に一目ぼれしてしまった。とても高くて買えないけれど、ああ、ほしいなあという気持ちを強く味わった。
恋焦がれるように何かがほしくなるなんてこと滅多にないから、そのようなものに出会えただけでしあわせだと思おう。
私がほしいなあと思ったのは味戸ケイコさんの絵。部屋の中に女の子がいて、そこは確かに部屋の中なのに、プールの水底のように水の影が描かれている。あるのにないような、ないのにあるようなゆがんだ空間。それはこどもの頃の私が好きだった味戸さんの世界。
女の子はうつむいていて顔が見えないけれど、どんな顔をしているのか私は知ってるし、あの部屋を体感できる。
どんなに大人になっても、私の中にはこどもの私がやっぱり棲んでるんだなぁ。
今の自分なんて、あの頃の私に幾重にもオブラートをかぶせただけかもしれない。
必要なのはそのオブラートをどこまで溶かせるかということだ。